3-2 Claude Code でファイル生成|HTML/Excel/CSV/Python
無料Claude Code に HTML・Excel・CSV・Python ファイルを作らせるための 4 パターンを実演。書き込み許可ダイアログの読み方、上書き事故の防ぎ方、出力ファイルの確認手順まで実践的に解説します。
このレッスンで身につくこと
前のレッスンで「指示の出し方」を体に入れたあなたは、いよいよ Claude Code に "実物のファイル" を作らせる ステージに進みます。Web ページ、Excel、CSV、Python スクリプト — 業務で必要になるファイルのほぼすべては、Claude Code に日本語で頼めば 1〜2 分で出てきます。
ただし、「作って」と頼むだけ で終わる人と、「どこに・どんな構成で・どう動くか」まで設計して頼む 人とでは、できあがるファイルの完成度が桁違いに変わります。このレッスンでは、4 つの典型パターンを通して、その差を埋めていきます。
このレッスンのゴール
- Claude Code が「ファイル作成」で得意なこと・苦手なことを 3 行で説明できる
- 4 つの典型パターン(単一 HTML / 複数ファイル / Excel・CSV / Python スクリプト)それぞれで、どんな指示文を投げればよいか即答できる
- ファイル書き込みダイアログ(
(y/n)プロンプト)の読み方と、安全に y を押すための 3 つの確認項目を覚える - 失敗パターン(パス指定ミス / 上書き / 既存ファイル無視)を事前に回避できる
- 自分専用の プロンプトテンプレート を 3 本ストックして、明日から実務で使える状態になる
所要時間 — 約 30 分(手元のターミナルで動かしながら読むなら 45 分) 難易度 — ★★☆☆☆(前のレッスン「初指示」を終えていれば十分)
Claude Code がファイル作成で得意なこと
最初に、Claude Code が「ファイルを作る」と言ったときに、裏側で何をしているか をざっくり押さえます。これを知っているかどうかで、後の章で出てくる パーミッション や サブエージェント の話の腹落ち速度が全然違います。
内部的には 3 ステップだけ
ファイル作成の流れは、内部的には次の 3 ステップしかありません。
- ユーザーの指示から 「どんな内容のファイルを、どこに、何という名前で」 を組み立てる
- ==
Writeツール== を呼び出す。引数は「絶対パス」と「ファイル中身」 - 書き込み前に ==
(y/n)の確認ダイアログ== を出して、人間の許可を待つ
たったこれだけです。シンプルですが、このシンプルさが Claude Code の強み です。なぜなら、人間が確認するポイントが 「最後の y/n」1 か所に集約されている からです。
1 ファイルでも 100 ファイルでも、コストは線形
Claude Code は ==Write ツールを何回でも呼び出せます==。「HTML と CSS と JS の 3 ファイルに分けて」と頼めば、3 回 Write を呼びます。「20 個の Markdown を生成して」と頼めば、20 回呼びます。1 ファイル作るときの認知コストと、100 ファイル作るときの認知コストがほぼ同じ というのが、Claude Code の革命的に楽な部分です。
一方で苦手なこと
「何でも作れる」と書くと夢のように聞こえますが、Claude Code が苦手な領域も明確に存在します。
Claude Code がファイル作成で苦手なこと
- バイナリ画像の ピクセル単位の生成 — 「アイコンを描いて」は基本不可(SVG なら OK)
- 動画・音声ファイルの 中身 の生成 — ファイル "枠" は作れるが、中身は別ツール(FFmpeg 等)に任せる
- フォントファイル の生成 — 不可
- .docx / .pptx 等 の Microsoft Office ネイティブフォーマット —
python-docx等のライブラリ経由でしか触れない - 巨大ファイル(数百 MB 以上)の生成 — メモリと時間がかさむ
逆に言うと、テキスト系のファイル(HTML / CSS / JS / Python / CSV / JSON / Markdown / YAML / SVG / SQL …) は全部得意領域です。本レッスンはこの「得意領域」の中で最頻出の 4 パターンを扱います。
Claude Code に頼むときの 一番安全な判断基準 は次の通りです。
「メモ帳で開いて、人間が中身を読める形式かどうか」
メモ帳で開けるなら、ほぼ確実に Claude Code は作れます。バイナリ専用ビューア(Excel・Photoshop・Premiere…)が必要なら、CSV やテキスト形式に経由させる工夫が要ります。
パターン 1 — シンプル HTML 1 ファイル
最初に練習するのは、1 ファイル完結の HTML です。Claude Code の「ファイル作成体験」の入門に最適です。
指示文の例
> 架空のカフェ「CAFE BLUE」のランディングページを cafe.html という
> 1 ファイルで作って。
> 含める要素:
> - ヒーロー画像(placeholder.com の 1200x600 ダミー画像)
> - メニュー 3 種類(コーヒー / ラテ / カプチーノ、各 ¥450)
> - 営業時間(9:00-18:00、定休日: 水曜)
> - アクセス(東京都渋谷区神宮前 1-2-3)
> - お問い合わせフォーム(名前 / メール / メッセージ)
> CSS と JS は HTML 内に内包。レスポンシブ対応。
> 配色は #0AA5D4 を基調にしたモダンな印象で。「1 ファイルで」 と明示するのが地味に大切です。これを書かないと、Claude Code は「いい感じに分けようかな」と判断して、cafe.html / cafe.css / cafe.js の 3 ファイル構成にしがちです。3 ファイルにされて困るわけではないですが、メール添付や Slack 共有 のときに 1 ファイルのほうが圧倒的に楽なケースが多いので、用途に応じて明示します。
実行後の流れ
Claude Code はおおむね次のような応答をします。
cafe.html を作成します。
ファイルを書き込みます: /Users/you/Documents/cafe.html
─────────────────────────────────────
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>CAFE BLUE</title>
<style>
:root { --brand: #0AA5D4; }
...
</style>
</head>
<body>
...(200 行ほど)
</body>
</html>
─────────────────────────────────────
このファイルを作成してよろしいですか? (y/n)
> y
cafe.html を作成しました(4.2 KB)。
ブラウザでダブルクリックすると LP が表示されます。==(y/n) の前で必ず一呼吸== 置きましょう。ここで確認すべきは 3 つだけです。詳しくは後ろの「書き込みダイアログの読み方」で扱いますが、頭出しすると次の通りです。
- ファイル名は意図したものか(拡張子も含めて)
- 保存先パスは意図した場所か(カレントディレクトリの確認)
- 中身がざっと正しそうか(先頭 10 行と末尾 5 行だけでも OK)
修正は会話で重ねる
最初の出力が 100 点満点である必要はありません。「8 割の状態で出してもらって、2 割を会話で詰める」 のが時間効率最強です。
> さっきの cafe.html、ヒーロー画像の上に半透明の暗いオーバーレイを乗せて、
> その上に白文字でキャッチコピー「The coffee that makes your day blue.」を載せて。
> あと、メニューカードの角丸をもう少し強めに(16px くらい)。「さっきの」 で前回のファイルを認識してくれます。Claude Code は会話履歴とプロジェクト状態をコンテキストに溜め込んでいるので、何度でも追加修正できます。
1 ファイル完結 HTML は、メール添付・Slack 共有・ローカルブラウザ確認のすべてが ファイル 1 個 で済むので、「ちょっとした成果物の流通単位」として最強です。社内資料・営業デモ・プレゼンの差し込み資料、ぜんぶこれで賄えます。
パターン 2 — フォルダ構成つきの複数ファイル
「ちゃんとしたサイト」 や 「コードを git で管理したいプロジェクト」 になると、1 ファイルでは収まりません。複数ファイル × フォルダ構成での生成が必要になります。
指示文の例
> portfolio/ というフォルダを作って、その中に次の構成で
> ポートフォリオサイトを生成して。
>
> portfolio/
> ├── index.html ← トップ(プロフィール + 実績ハイライト)
> ├── works.html ← 実績一覧
> ├── contact.html ← 連絡先 + フォーム
> ├── assets/
> │ ├── style.css ← 共通スタイル
> │ ├── main.js ← ナビ開閉 + フォーム検証
> │ └── images/ ← placeholder 画像 3 枚
> └── README.md ← 構成説明
>
> 3 ページ共通のヘッダー / フッターを持たせて。
> 配色は #0369A1 ベース、レスポンシブ対応、ダークモードトグル付き。ASCII アートでディレクトリ構成図を見せる のが、複数ファイル生成の最強テクニックです。Claude Code は ツリー図を読んで、その通りのフォルダ・ファイルを作る ので、結果が予測通りになります。
Write × N + Bash の組み合わせ
このパターンを動かすと、Claude Code は内部で次のように動きます。
- ==
Bash== でmkdir -p portfolio/assets/imagesを実行 - ==
Write== でindex.htmlを書き込み(確認 1 回) - ==
Write== でworks.htmlを書き込み(確認 2 回) - … 以下、ファイル数だけ繰り返し
- 最後に 構成サマリを報告
確認ダイアログがファイル数だけ出てくる ので、最初は少し面倒に感じます。慣れてくると、次のレッスン以降で扱う ==acceptEdits モード== に切り替えて、ファイル編集のダイアログを省略できるようになります(シェル実行の確認は残るので安全)。
バリエーション — 既存フォルダに追加する
ゼロからではなく、既存のプロジェクトに新規ファイルだけ追加する ケースもよくあります。
> 既存の my-app/ に対して、新規に
> my-app/docs/api.md と my-app/docs/changelog.md を追加して。
> 既存ファイルには絶対に触らない。
> api.md は OpenAPI 風の構造、changelog.md は Keep a Changelog 形式で。「既存ファイルには触らない」 の一文を必ず入れます。これを省くと、Claude Code が「ついでに README.md も更新しときますね」と善意で動いて、意図しない変更が混ざる ことがあります。
複数ファイル生成のコツ
- ASCII ツリー図で構成を見せる
- 共通要素(ヘッダー / 配色 / フォント)を最初に宣言
- 「触らない範囲」 を明示
- 出力先ディレクトリ を必ず指定(カレントに散乱させない)
パターン 3 — Excel / CSV 出力
業務で最も需要が高いのが Excel・CSV の生成 です。次のレッスン(3-3)で深堀りしますが、まずはここで 「ファイルとして出てくる」体験 を済ませます。
指示文の例 — CSV ダミーデータ生成
> sales-2026-04.csv というサンプル売上 CSV を作って。
> 列は「日付, 商品コード, 商品名, カテゴリ, 数量, 単価, 売上」。
> カテゴリは「飲料 / 食品 / 雑貨 / 衣料」の 4 種類。
> 4/1〜4/30 の範囲で 200 行のリアルなダミーデータを入れて。
> 売上 = 数量 × 単価。商品名は架空のもので OK。
> 文字コードは UTF-8 BOM 付き。文字コードを明示 するのが、Excel ユーザーには必須レベルで重要です。UTF-8 BOM 付き にしておくと、Windows / Mac どちらの Excel でも「ダブルクリックして開いたら文字化けゼロ」になります。詳しくは次のレッスン 3-3 で扱います。
指示文の例 — xlsx 生成(複数シート)
CSV ではなく ==.xlsx を直接生成 することもできます。Claude Code は内部で openpyxl や xlsxwriter== を呼びます。
> employees.xlsx を作って。3 シート構成で。
>
> シート 1「社員一覧」: 社員番号 / 氏名 / 部署 / 入社日 / 年収(30 人分のダミー)
> シート 2「部署別集計」: 部署 / 人数 / 平均年収 / 合計年収(SUM / AVERAGE 関数を使う)
> シート 3「グラフ」: 部署別の人数を縦棒グラフ、平均年収を折れ線で重ねる
>
> シート 1 のヘッダー行は太字 + 背景色 #0AA5D4 + 白文字。
> 「年収」「平均年収」「合計年収」列は ¥ 付き 3 桁カンマ書式。書式・関数・グラフまで指定 できるのがポイントです。Excel のテンプレを毎月手で作っていた人にとっては、これだけで月数時間が浮きます。
Python スクリプト経由で出す利点
==xlsx を生成するスクリプト自体をファイルとして残しておく と、来月以降は「同じスクリプトを実行するだけ==」で再現できます。
> 上の employees.xlsx を生成する Python スクリプトを
> generate-employees-xlsx.py として保存しておいて。
> ダミーデータは Faker ライブラリで日本語データを生成。
> 毎月実行できるように、月初時点の日付を使う形に。スクリプトを残す と「再利用可能な資産」になります。1 回のために作るのではなく、2 回目・3 回目を見据えて 指示するのが、生産性を 5 倍に伸ばすコツです。
xlsx は重い・遅い・壊れやすい。可能なら CSV を中心に運用、最後の "見栄え整形" だけ xlsx にする、という二段構えが現場ベストです。詳しくは次のレッスン 3-3 で深掘りします。
パターン 4 — Python スクリプト + 実行
スクリプトを書かせる のは、ファイル作成の中で最も応用範囲が広いパターンです。「ファイルを作る」と「コマンドを実行する」が一連の流れで動くので、小さな業務自動化 がここから一気に広がります。
指示文の例 — CSV 集計スクリプト
> sales-2026-04.csv を読み込んで、商品カテゴリ別の合計売上を
> 計算する Python スクリプトを summarize.py として作って。
> 出力は標準出力 + summary.csv の両方。
> summary.csv の列は「カテゴリ, 合計売上, 件数, 平均単価」。
> スクリプトの先頭にコメントで使い方を書く。
> 作ったあと、そのスクリプトを実際に実行して、結果も見せて。「作ったあと、実際に実行して」 の一文がポイントです。Claude Code は ==Write ツールでスクリプトを書き、続けて Bash ツールで python summarize.py を実行 します。書く → 動かす → 結果を見せる== が 1 ターンで完結します。
実行時の確認ダイアログ
スクリプトの 実行 もまた、確認ダイアログを通ります。
コマンドを実行します:
python summarize.py
このコマンドを実行してよろしいですか? (y/n)ファイル書き込みの y/n と コマンド実行の y/n は別物として出てきます。最初は両方とも丁寧に確認しましょう。慣れてきたら ==acceptEdits モード== でファイル書き込み側だけスキップ、シェル実行は引き続き確認、という運用が定番です。
Python が入っていない場合
「Python が入ってない」「pip install pandas が必要」というケースも、Claude Code は自分で気づいて教えてくれます。
このスクリプトには pandas が必要です。次のコマンドでインストールできます。
pip install pandas
インストールしますか? (y/n)「環境構築まで会話で済む」 のが、Claude Code の地味にすごい部分です。初心者が一番つまずく 「動かない原因がライブラリ不足」 のループから解放されます。
バリエーション — シェルスクリプトや Node.js
Python に限らず、シェルスクリプト・Node.js・Ruby・Go など、コマンドラインから動く言語ならどれでも同じパターンで作らせられます。
> 指定フォルダ内の .heic ファイルを全部 .jpg に変換するシェルスクリプトを
> heic-to-jpg.sh として作って。ImageMagick の convert コマンドを使う。
> ファイル名は元のものを保持、拡張子だけ変更。
> 上書きしないよう、変換先が既存なら skip ログを出す。言語にこだわらず、目的だけ伝える のが Claude Code 流です。「Python で」「シェルで」と縛らず、「速くて確実なやり方で」 と頼むと、Claude Code が最適な言語を選んでくれます。
ファイル生成 + コマンド実行のセット は、Claude Code が「単なるエディタ補助」と一線を画す瞬間です。書いて・動かして・結果を確認して・直す までを 1 回の対話で回せます。1 日に試せる試行回数が 10 倍 になる根源は、この一気通貫の動きです。
ファイル書き込み確認ダイアログの読み方
ここで一度立ち止まって、==(y/n) ダイアログの正しい読み方 を覚えましょう。Claude Code 入門の中で、ここをサボると後で痛い目に遭う== 重要パートです。
ダイアログに表示される 3 つの情報
ファイル書き込みダイアログには、ほぼ確実に次の 3 つの情報が出ます。
ファイルを書き込みます: /Users/you/Documents/project/index.html
─────────────────────────────────────
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>...</title>
...
─────────────────────────────────────
このファイルを作成してよろしいですか? (y/n)読むべきは次の 3 点 です。
- 絶対パス(
/Users/you/Documents/project/index.html)— ここが意図しない場所だったら、絶対に y を押さない - ファイル名と拡張子(
index.html)— 「.htmlのつもりが.htmになってた」みたいな取り違えがないか - 中身の先頭(
<!DOCTYPE html>)— 想定通りの形式で始まっているか
既存ファイルがある場合の警告
既存ファイルを上書きしようとすると、Claude Code は 別の確認メッセージ を出します。
ファイル /Users/you/Documents/project/index.html はすでに存在します。
上書きしますか? (y/n)
差分プレビュー:
- <title>古いタイトル</title>
+ <title>新しいタイトル</title>上書き系のダイアログは、特に慎重に なってください。「既存」「上書き」のワードを見たら 必ず一呼吸置く。差分プレビューが出ていれば、想定外の変更が混ざっていないか目視確認します。
安全に y を押すための 3 つの確認項目
毎回これを習慣にすると、事故率が劇的に下がります。
y を押す前のチェック 3 つ
- パス — カレントディレクトリは正しいか(一段下の
src/ではなく./を意図していないか等) - 拡張子 —
.pyを作ったつもりが.txtになってないか - 既存ファイルかどうか — 上書きで失うデータがないか
「上書き」ではなく「別名保存」を依頼するクセ
事故を 80% 減らす最強の口癖 は、これです。
「元ファイルは触らない。別名で保存して」
たとえば、次のような指示です。
> 既存の report.html を読み込んで、配色だけ青系から緑系に変更した
> バージョンを report-green.html として ==別名== で保存。
> 元の report.html は ==絶対に変更しない==。変更を別名に逃がす ことで、結果が気に入らなくても元に戻せます。上書きで失敗してから「ああー…」 となる事故を、根本から消せる魔法の一文です。
一番強い予防策
破壊不能な状態を作ってから走らせる。具体的には次の 2 つです。
- 作業前に作業フォルダを git にコミット しておく(変更を
git checkout .で一発で戻せる) - 大事なファイルは 事前にコピー(
stock.xlsx→stock-20260519.xlsx)
壊しても困らない状態 を作っておけば、Claude Code への指示は 思い切り 出せます。これが速度と安全を両立する秘訣です。
失敗パターン — 3 つの地雷を踏み抜かないために
ここまで便利な話ばかりしてきたので、実際に踏みやすい地雷を 3 つ 紹介します。事前に知っておけば全部回避できます。
地雷 1 — パス指定ミス(一段ずれた場所にファイルが散乱)
「==hello.html を作って」とだけ言うと、Claude Code は カレントディレクトリ== に作ります。あなたが cd ~/Documents/projects のつもりが、ターミナル起動時の ~ のままだった場合、ホームディレクトリにファイルが散乱 します。
「あれ、ファイルがない?」のほとんどはこれが原因です。
回避策は次の通りです。
- 指示文で 絶対パス(
/Users/you/Documents/cafe.html)を指定する - 起動直後に
pwdを叩いて 現在地を必ず確認 する - 作業フォルダに
cdしてからclaudeを起動する習慣をつける - それでも不安なら ==
./output/のような専用サブディレクトリ== を最初に切る
地雷 2 — 上書き事故(大事な原本が消えた)
「==stock.xlsx を整理して」と頼んで y を押した瞬間、元の stock.xlsx が新しい内容で上書き==。手元には変更後の状態だけが残り、原本がない。
回避策は次の通りです。
- 指示文に 必ず「別名保存」 を入れる(
stock-cleaned.xlsxのように) - git で管理 しているフォルダなら
git diffで復元可能 - 重要ファイルは Time Machine / iCloud / Google Drive で自動バックアップ
- Excel/CSV を Claude Code に触らせる前に、末尾に日付付きでコピー(
stock-20260519.xlsx)
地雷 3 — 既存ファイルを無視して新規作成(同名・別パスで重複)
「プロジェクト構成を README にまとめて」と頼んだら、Claude Code が ==既に存在する README.md を見ずに新規作成 してしまい、同じ階層に README.md が複数== できる(大文字小文字の違いだけで別ファイル扱いになるケースなど)。
回避策は次の通りです。
- 既存ファイルの有無が怪しい場合、==事前に「
README.mdが既にあるかチェックして」== と頼む - Claude Code は ==
Glob/Readツール== で既存ファイルを確認できる。「既存があれば上書き、なければ新規作成」と明示する - ==
Editツール(既存ファイルの一部編集)とWriteツール==(新規作成・上書き)を意識的に使い分ける指示にする
ファイル作成の事故は、ほぼ全部 "戻せない" タイプ。
3 つの地雷の共通点は、気づいたときには元データがない ことです。Claude Code の指示を出す前に、「最悪 y を押してもデータは戻せるか?」 を一瞬考える癖を、いま身につけてください。半年後に大事故を 1 回避けるだけで、このカリキュラム代の元が取れます。
プロンプトテンプレート集 — そのままコピペで使える 3 本
ここまでの内容を凝縮した、すぐ使えるプロンプトテンプレート を 3 本置いておきます。Notion や Obsidian にコピペして、明日からの仕事で使ってください。
テンプレ 1 — 単一ファイル生成(HTML / Markdown / JSON / SVG 等)
> 以下の条件で {ファイル形式} を 1 ファイルで作って。
> ファイル名: {filename.ext}
> 保存先: {絶対パス or "./"}
> 内容:
> - {要素 1}
> - {要素 2}
> - {要素 3}
> スタイル / 構成: {デザイン or 形式の指示}
> 文字コード: UTF-8(BOM の要否は用途による)
>
> 必須ルール:
> 1. 既存に同名ファイルがあれば確認してから上書き
> 2. 1 ファイル完結(外部参照は外部 CDN のみ)
> 3. 完成後に保存先パスと容量を報告テンプレ 2 — 複数ファイル + フォルダ構成
> {プロジェクト名}/ というフォルダを作って、以下の構成で生成して。
>
> {プロジェクト名}/
> ├── {file1}
> ├── {file2}
> ├── {subdir}/
> │ ├── {file3}
> │ └── {file4}
> └── README.md
>
> 共通設定: {共通の配色 / フォント / 命名規則}
> 制約:
> 1. 既存ファイルには触らない(あれば確認)
> 2. README.md に構成と使い方を書く
> 3. 全ファイル作成後、構成サマリを表示テンプレ 3 — スクリプト + 実行 + 結果確認
> {目的} を達成する {言語} スクリプトを {filename} として作って。
> 入力: {入力ファイル or データ}
> 処理: {処理内容}
> 出力: {出力先}
>
> 作成後、実際に実行して結果を見せて。
> エラーが出たら、その場で原因を説明して修正案を提示して。
>
> 必須ルール:
> 1. 入力ファイルは絶対に変更しない
> 2. 出力先が既存ならタイムスタンプ付きで別名保存
> 3. スクリプト先頭に使い方コメントを入れるこのテンプレ集は ==CLAUDE.md(第 5 章で学ぶプロジェクト設定ファイル)にコピペしておく と、毎回テンプレを引っ張ってこなくても Claude Code が自然に従ってくれるようになります。自分専用のファイル生成ガイドライン== として育てていきましょう。
やってみよう — 実際に 1 本作る
ここまで読んだら、必ず手元で 1 本走らせてください。読むだけでは身につきません。
推奨課題(難易度別)
初級 — まずは安全に体験
- 自分の本当の自己紹介ページを 1 ファイル HTML で作る
- 今週の ToDo リストを Markdown で作る(チェックボックス付き)
- 30 行のサンプル売上 CSV を作る(日付・商品名・金額)
中級 — 実務に直結
- 自分のチームの議事録テンプレ(Markdown)+ 議事録例(記入済みサンプル)の 2 ファイル生成
- 取引先一覧の CSV ダミーデータ(50 社、業種・所在地・年間取引額付き)
- Excel 3 シート構成のスタッフ管理表(社員一覧 / 集計 / グラフ)
上級 — スクリプトとセットで
- 「==フォルダ内の
.heicを全部.jpgに変換==」するシェルスクリプト + 動作テスト - 「日付ごとにフォルダを切って、その日付の md ファイルを作る」自動スクリプト
- 「社員 CSV を読み込んで、社員ごとの名刺 SVG を量産」する Python スクリプト
> 今日のレッスンで覚えたテンプレ 3 を使って、{自分の業務に近いタスク} を
> 1 本だけ走らせてみる。失敗しても OK、原因を見つけることが今日の収穫。1 問だけ問いかけ — あなたが普段、「1 個ずつ手で作って疲れる」 と感じているファイル作業はありますか?それは「単一ファイル / 複数ファイル / Excel・CSV / スクリプト」のどれに当てはまりますか?
当てはまった瞬間に、今日のテンプレ を使うチャンスです。1 本走らせて、来週からの仕事を 1/10 に縮めてください。
まとめ
このレッスンで押さえてほしいことを 6 つ並べます。
- Claude Code はテキスト系ファイル(HTML / CSS / JS / Python / CSV / JSON / Markdown / SVG 等)を ほぼ何でも作れる
- 4 つの典型パターン(単一 HTML / 複数ファイル / Excel・CSV / スクリプト)を押さえれば、業務の 8 割はカバーできる
- ==
(y/n)ダイアログ== ではパス・拡張子・既存ファイルの 3 点を確認してから y を押す - 別名保存 を口癖にすれば、上書き事故の 8 割が消える
- 失敗の地雷は 3 つ(パス指定ミス / 上書き / 既存ファイル無視)。すべて「事前のコピー と git コミット」で予防できる
- プロンプトテンプレート 3 本を
CLAUDE.mdに置けば、来週から実務スピードが変わる
章末演習 — 所要時間 15〜20 分。実際に手を動かすパートです。
- パターン 1(単一 HTML)で、自分のプロフィールページを 1 ファイル生成。完成したら スクショ を撮って自分のメモに残す
- パターン 2(複数ファイル)で、フォルダ構成つきの簡単なサイトを生成。ASCII ツリー図 を指示文に必ず含めて、思った通りの構成になるか確認
- パターン 3(CSV)で、自分の業務に近いダミー CSV を生成。UTF-8 BOM 付き を指定して、Excel で開いて文字化けゼロを確認
- 失敗パターンの予防 — 作業前に
git init && git add -A && git commit -m "before claude"を 1 回叩いてから走らせる。戻せる状態 を体で覚える
<Quiz question="Claude Code にファイルを作らせるとき、上書き事故を最も確実に防ぐ口癖はどれ?" options={["「最新のベストプラクティスで作って」","「元ファイルは触らない、別名で保存して」","「全部きれいに整えて」"]} answer={1} />
次のレッスン 3-3: Excel 整理 では、入門編の総仕上げとして 業務で最頻出の Excel/CSV 整理 を、典型シナリオ 7 連発と失敗パターン 4 つで一気に攻略します。