5-3 Best of N パターン
無料複数の案を生成させて最適解を選ぶ「Best of N」パターンを習得します。
Best of N とは
1つの課題に対して複数のアプローチを提案させ、最も良いものを選ぶテクニックです。
人間の仕事でも「3案出して比較検討」はよくある手法ですが、AIならコストも時間もほぼかかりません。
ポイント
「3パターン作って」と指示するだけで Best of N が始まります。追加コストは1パターンの2〜3倍程度で、得られる選択肢の価値はそれ以上です。
Before / After:Best of N の効果
1案だけで進めた場合と、複数案を比較した場合の違いです。
Before(1案で進める)
- デザイン案を1つ作る → 上司に見せる → 「もっと違う感じで」→ やり直し → 3回ループ
- 合計: 3時間
After(Best of N)
- 「3パターン作って」→ 上司に3案見せる → 「Bが良い。少し修正して」→ 完了
- 合計: 30分
最初に選択肢を用意することで、方向性のすり合わせが圧倒的に速くなります。
実践:デザインの Best of N
同じ要件で異なるデザインを3パターン作らせてみましょう。
> 料理レシピサイトのトップページを3パターン作って。
>
> パターンA: ミニマルデザイン(白背景、余白多め)
> パターンB: 雑誌風(大きな写真、グリッドレイアウト)
> パターンC: アプリ風(カード型、サイドバーあり)
>
> それぞれ recipe-a.html, recipe-b.html, recipe-c.html で保存。実践:ロジックの Best of N
技術的なアプローチも複数比較できます。
> 以下のCSVデータの重複削除を3つの方法で実装して。
>
> 方法1: Python pandas を使う方法
> 方法2: Python 標準ライブラリのみで実装
> 方法3: SQLite を使う方法
>
> それぞれの処理速度と可読性を比較して。ポイント
「比較して」と付け加えると、Claude Code がそれぞれの方法のメリット・デメリットをまとめてくれます。
期待される出力
Claude Code は3つの実装を生成した後、以下のような比較表を出力します。
- 各方法のコード行数
- 処理速度の目安
- 外部ライブラリの要否
- 可読性の評価
- おすすめシーン
この比較を見て、自分の状況に最も合う方法を選べます。
| 比較項目 | pandas | 標準ライブラリ | SQLite |
|------------|--------|------------|---------||
| コード行数 | 5行 | 20行 | 10行 |
| 外部ライブラリ | 要 | 不要 | 不要 |ポイント
比較表を見て迷ったら「私のケースは〇〇という条件だけど、どれがおすすめ?」と Claude Code に聞けば、最適な選択を推薦してくれます。
いつ使うか
Best of N は以下の場面で特に有効です。
- デザイン — 見た目の好みは主観なので、選択肢があると判断しやすい
- アルゴリズム — パフォーマンスとのトレードオフを比較
- 文章 — メールの文面やキャッチコピーのトーン違い
- アーキテクチャ — システム設計の初期検討
逆に、明確な正解がある作業(バグ修正、フォーマット変換等)では不要です。
> お客様へのお礼メールを3パターン書いて。
> A: 丁寧・フォーマル
> B: 親しみやすい・カジュアル
> C: 簡潔・ビジネスライクよくある失敗と対処法
Best of N でよくある間違いです。
パターンが似すぎる → 各パターンの方向性を具体的に指定してください。「ミニマル」「カラフル」「ダーク」のように明確に。
比較の観点がない → 「処理速度、コード量、可読性で比較して」と観点を指定すると、有用な比較が得られます。
5案以上作らせる → 3案で十分です。案が多すぎると選ぶのが大変になります。
まとめ
このレッスンのポイントを振り返ります。
- Best of N は複数案を生成して比較するテクニック
- デザイン、ロジック、文章の方向性決定に最適
- 3パターンが最適(多すぎると選択が難しい)
- 「比較して」と追加すると比較表を出してくれる
- 方向性のすり合わせが圧倒的に速くなる
次の第6章では、Webアプリの作成に挑戦します。
ポイント
今すぐ試すなら、次のメール文面を「3パターン書いて(丁寧・カジュアル・簡潔)」と依頼してみましょう。違いが一目瞭然で Best of N の効果を体感できます。