カリキュラム/第5章: プロンプト術/5-3 Best of N パターン

5-3 Best of N パターン

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複数の案を生成させて最適解を選ぶ「Best of N」パターンを習得します。

5章: プロンプト術15分
酒井歩乃加
監修: 酒井歩乃加

フリーランス編集者・ライター / 元マイベスト編集ディレクター

平原尚樹
監修: 平原尚樹

株式会社BlueAI 代表取締役CEO / ソフトウェアエンジニア

Best of N とは

1つの課題に対して複数のアプローチを提案させ、最も良いものを選ぶテクニックです。

人間の仕事でも「3案出して比較検討」はよくある手法ですが、AIならコストも時間もほぼかかりません。

Before / After:Best of N の効果

1案だけで進めた場合と、複数案を比較した場合の違いです。

Before(1案で進める)

  • デザイン案を1つ作る → 上司に見せる → 「もっと違う感じで」→ やり直し → 3回ループ
  • 合計: 3時間

After(Best of N)

  • 「3パターン作って」→ 上司に3案見せる → 「Bが良い。少し修正して」→ 完了
  • 合計: 30分

最初に選択肢を用意することで、方向性のすり合わせが圧倒的に速くなります。

実践:デザインの Best of N

同じ要件で異なるデザインを3パターン作らせてみましょう。

> 料理レシピサイトのトップページを3パターン作って。
> 
> パターンA: ミニマルデザイン(白背景、余白多め)
> パターンB: 雑誌風(大きな写真、グリッドレイアウト)
> パターンC: アプリ風(カード型、サイドバーあり)
> 
> それぞれ recipe-a.html, recipe-b.html, recipe-c.html で保存。

実践:ロジックの Best of N

技術的なアプローチも複数比較できます。

> 以下のCSVデータの重複削除を3つの方法で実装して。
> 
> 方法1: Python pandas を使う方法
> 方法2: Python 標準ライブラリのみで実装
> 方法3: SQLite を使う方法
> 
> それぞれの処理速度と可読性を比較して。

期待される出力

Claude Code は3つの実装を生成した後、以下のような比較表を出力します。

  • 各方法のコード行数
  • 処理速度の目安
  • 外部ライブラリの要否
  • 可読性の評価
  • おすすめシーン

この比較を見て、自分の状況に最も合う方法を選べます。

| 比較項目     | pandas | 標準ライブラリ | SQLite  |
|------------|--------|------------|---------||
| コード行数    | 5行    | 20行        | 10行    |
| 外部ライブラリ | 要     | 不要         | 不要    |

いつ使うか

Best of N は以下の場面で特に有効です。

  • デザイン — 見た目の好みは主観なので、選択肢があると判断しやすい
  • アルゴリズム — パフォーマンスとのトレードオフを比較
  • 文章 — メールの文面やキャッチコピーのトーン違い
  • アーキテクチャ — システム設計の初期検討

逆に、明確な正解がある作業(バグ修正、フォーマット変換等)では不要です。

> お客様へのお礼メールを3パターン書いて。
> A: 丁寧・フォーマル
> B: 親しみやすい・カジュアル
> C: 簡潔・ビジネスライク

よくある失敗と対処法

Best of N でよくある間違いです。

パターンが似すぎる → 各パターンの方向性を具体的に指定してください。「ミニマル」「カラフル」「ダーク」のように明確に。

比較の観点がない → 「処理速度、コード量、可読性で比較して」と観点を指定すると、有用な比較が得られます。

5案以上作らせる → 3案で十分です。案が多すぎると選ぶのが大変になります。

まとめ

このレッスンのポイントを振り返ります。

  • Best of N は複数案を生成して比較するテクニック
  • デザイン、ロジック、文章の方向性決定に最適
  • 3パターンが最適(多すぎると選択が難しい)
  • 「比較して」と追加すると比較表を出してくれる
  • 方向性のすり合わせが圧倒的に速くなる

次の第6章では、Webアプリの作成に挑戦します。