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安全と会社での利用

WordPressが乗っ取り・改ざんされたら⁠|兆候、最初の対応、戻すか直すか、相談先

要点この記事の答え
  1. 最初は、記録と証拠、サーバー会社への連絡です。
  2. ログインの手段は、全部変えて、あとでもう一度変えます。
  3. 戻したら更新します。更新だけでは直りません。
WordPressが乗っ取られたら、記録と証拠を残し、ログインの手段をすべて変え、サーバー会社と警察に連絡してから、戻すか直すかを決め、戻したら更新とパスワードの変更をやり直す。

WordPressが乗っ取られたり改ざんされたりしたら、まず記録を残し、ログインの手段をすべて変え、バックアップを取り、サーバー会社に連絡します。 そのうえで、バックアップから戻すか、清掃するかを決めます。警察庁は、改ざんの被害に遭ったら、直ちにサービスを停止し、管理画面やデータベースへのアクセスログを保存して、証拠を残すよう求めています。WordPress.orgの公式の案内も、記録、パスワードの変更、バックアップ、サーバー会社への確認を、清掃より先に挙げています。

この記事では、兆候、最初にやること、バックアップから戻すか直すかの考え方、更新、相談先を、WordPress.org、警察庁、JPCERT/CC、IPAの資料にもとづいて整理します。焦って作業すると、証拠が消えたり、同じ穴から入り直されたりします。順番に進めてください。

内容は、2026年10月23日に、WordPress.orgのFAQ My site was hacked(2026年7月26日更新)、警察庁のウェブサイト改ざん対策、JPCERT/CCの注意喚起「サイバー攻撃に備えてWebサイトの定期的な点検を」(2016年8月24日)とインシデント報告、IPAの情報セキュリティ10大脅威 2026 解説書[組織編](2026年3月)と企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口と照らし合わせました。JPCERT/CCの注意喚起は2016年のものなので、点検の頻度は、目安として読んでください。

乗っ取り、改ざんの兆候

WordPress.orgは、はっきりした兆候として、次を挙げています。

  • Google、Bingなどのブラックリストに載った
  • サーバー会社に、サイトを止められた
  • マルウェアを配っているとして、警告された
  • 閲覧した人から、ウイルス対策ソフトが警告を出す、と言われた
  • ほかのサイトを攻撃するのに使われている、と連絡が来た
  • 許可していない操作がある(新しい利用者が作られている、など)
  • ブラウザで開くと、見てすぐに改ざんされたと分かる

警察庁の資料には、よくある相談として、次の例があります。

  • 顧客から「改ざんされている」と連絡があり、見覚えのない画像が載っていて、管理画面に入れなくなっていた
  • 顧客から「ホームページを見ていたらウイルスを検知した」と連絡があり、サーバーを確認すると、マルウェアが置かれていた

自分で見つける方法として、警察庁は、検索サイトのsite検索(自社のドメイン名を指定して検索する方法)で、検索結果に自社の業務と関係のないページが出てこないかを確かめるよう案内しています。会員の入力画面や購入画面に、見覚えのないJavaScriptが置かれていないかも確認項目です。

JPCERT/CCは、ファイルの一覧(名前、大きさ、更新日時、ハッシュ値)を作って、バックアップと比べる方法を挙げています。この点検の頻度は、1週間に1回ほどとされています(2016年の資料)。

最初にやること

警察庁とWordPress.orgの手順を並べて、当サイトが順番を付けました。順番は、当サイトの考えです。どの資料も、この順を定めてはいません。

順やること公式の説明
順1やること記録する公式の説明何を見て、いつ気づいたか(タイムゾーンも)、最近の操作(新しいプラグインを入れた、テーマを直した、など)を書く
順2やること証拠を残す公式の説明管理画面やデータベースへのアクセスログを保存し、印刷する。直ちにサービスを停止する(警察庁)
順3やること今の状態のバックアップを取る公式の説明感染していても、掃除の前に、もう1つ状態を残しておく(WordPress.org)
順4やることサーバー会社に連絡する公式の説明同じサーバーのほかのサイトにも被害がないかを確認する
順5やることログインの手段を全部変える公式の説明FTP、SFTP、管理画面、サーバーの管理パネル、データベースのパスワード。全員分
順6やることログイン中の人を締め出す公式の説明wp-⁠config.phpの秘密鍵(キー)を新しくする
順7やること自分のパソコンを調べる公式の説明ウイルス対策ソフトで全体を調べる

1 と 2 記録と証拠

WordPress.orgは、最初にやることは記録だとしています。専門の会社に頼むときにも、役に立つ、としています。警察庁は、警察に相談するときは、アクセスログなどを持っていくよう、案内しています。事前に電話で、担当者と日時や持っていく資料を調整すると、進みやすい、とも書かれています。

警察庁は、直ちにサービスを停止するよう求めています。止めるとお客さんに迷惑がかかりますが、閲覧した人がウイルスに感染するおそれがあるなら、止める判断になります。止める方法は、サーバー会社に聞いてください。

3 バックアップを取る

掃除の前に、今の状態をそのまま残しておきます。WordPress.orgは、感染していても、失敗したときに戻って見られる、としています。これは、元に戻すためのバックアップではなく、調べるための記録です。

4 サーバー会社に連絡する

WordPress.orgは、共有のサーバーでは、ほかのサイトにも被害が及ぶおそれがあるとしています。サーバー会社が、すでに何か対応していることもあります。サーバー会社は、乗っ取りなのか、サービスの障害なのかの切り分けも手伝えるかもしれない、とされています。バックアップの方針も聞いておきます。迷惑メールの送信に使われると、メールのIPアドレスが、ブラックリストに載ることもあります。

5 と 6 ログインの手段を変える

WordPress.orgは、パスワードの変更だけでは足りないとしています。変えるのは、FTP、SFTP、WordPressの管理画面、サーバーの管理パネル(cPanelなど)、データベースのすべてです。管理者を含む、全員のパスワードを強制的にリセットします。パスワードは、長く、複雑で、他で使っていないものにし、パスワード管理ツールの使用を勧めています。二要素認証も勧めています。

さらに、wp-config.phpの秘密鍵(キー)を新しいものに書き換えると、ログインしたままの人を、全員ログアウトさせられます。

管理画面に入れなくなっているときは、phpMyAdminなどで、データベースの利用者の表(wp_users)を直接直す方法と、メールアドレスを変えて「パスワードを忘れた」を使う方法が、WordPress.orgに書かれています。

7 自分のパソコン

WordPress.orgは、攻撃のきっかけが、サイト運営者のパソコンにあることも多い、としています。パソコンに入り込んだ不正なプログラムが、FTPや管理画面のログイン情報を盗むためです。ウイルス対策ソフトで、全体を調べます。見つからなくても、別のソフトで調べ直すよう、勧めています。

バックアップから戻すか、直すか

ここは、公式の資料が、どちらかを勧めているわけではありません。

方法WordPress.orgなどの説明注意
方法清掃するWordPress.orgなどの説明難しい作業だが、一部を入れ直す方法がある。入れ直すときは、同じ版を使い、管理画面の再インストールではなく、FTPやSFTPで上書きする注意ハックで新しく置かれたファイルは、上書きでは消えない
方法バックアップから戻すWordPress.orgなどの説明バックアップがあれば、戻して、調べる作業に進める注意戻したバックアップが、すでに感染していないかは、自分で確かめる

清掃するなら

WordPress.orgの案内には、次の点があります。

  • すべてを捨ててやり直したくても、できないことが多い
  • /wp-adminと/wp-includesは、FTPかSFTPで、同じ版のファイルを上書きしてよい
  • 管理画面の再インストールは、既存のファイルを上書きするだけで、ハックで新しく作られたファイルは消えないことが多いので、使わない
  • wp-contentにはテーマとプラグインがあるので、より慎重に見る
  • .htaccessは、よく書き換えられるので、必ず見る。サイトの根のフォルダのほか、別のフォルダの中にあることもある
  • index.php、header.php、footer.php、functions.phpも、書き換えられると、すべてのページに影響する

当サイトの考え

感染がいつからか分からないときは、日付がはっきりしている、確実に前のバックアップから戻すほうが、確かめやすいと考えます(当サイトの考えで、公式の資料に書かれていることではありません)。ただし、戻しただけでは、入られた原因が直ったとは限りません。戻したら、すぐに更新と、ログインの手段の変更をします。古い版は新しい版より乗っ取られやすい、とWordPress.orgは書いています。

専門の会社に調査を頼む場合は、掃除の前に、相談します。ログや、感染した状態が、手がかりになるためです。

戻したあとにやること

更新する

WordPress.orgは、清掃が終わったら、WordPressを最新にするよう書いています。古い版は、新しい版より、乗っ取られやすい、としています。IPAの10大脅威 2026 解説書[組織編]も、インターネットから直接アクセスできるCMS(プラグインを含む)の脆弱性は、攻撃の方法が公開されると、多くの企業に被害が及ぶおそれがある、としています。警察庁は、調査の結果をもとに、OSやソフトウェアの更新を当てて、脆弱性をふさぐよう求めています。

プラグイン、テーマも、同じ画面で更新します。使っていないものは、消します(当サイトの考えです)。

PHPは、WordPress本体の更新とは別です。WordPress.orgの2026年10月21日の告知は、PHPの重大な脆弱性について、WordPressの更新は必要とされておらず、予定もない、としています。サーバー会社がPHPの更新を進めている場合もありますが、サーバー会社の更新を確認し、必要なら自分でもPHPを更新するよう、書かれています。PHPの脆弱性と、版の確かめ方は、次の記事にあります。

関連記事安全と会社での利用PHPの脆弱性(CVE-2026-109618・109619)|自分のPHPのバージョン確認と、いまやること2026年10月21日にPHPの重大な脆弱性2件(CVE-2026-109618、109619)の修正版が公開されました。直った版、8.1以前の扱い、レンタルサーバーとVPSで違う対応、バージョンの調べ方、いまやる順番を公式の情報で整理します。

WordPress本体、プラグイン、テーマ、PHPを、誰がどう更新するかの点検表は、次の記事にあります。

関連記事安全と会社での利用WordPressの脆弱性とバージョン確認|本体を更新してもPHPは直らない理由と点検表WordPress本体を更新してもPHPは新しくなりません。PHPの重大な脆弱性を受けて、本体、プラグイン、テーマ、PHPを誰がどう更新するか、PHPの版の確かめ方、乗っ取りが心配なときの進め方を、WordPress.orgの案内で整理します。

外から見える範囲で、PHPの版の表示やセキュリティヘッダーを確かめるなら、サイトのPHPとヘッダーを確かめる無料ツールが使えます。乗っ取られていないことを確かめるツールではありません。

パスワードを、もう一度変える

WordPress.orgは、きれいになったことを確かめたあとにも、もう一度、パスワードを変えるよう書いています。最初に変えたあとに、まだ入り込んだものが残っていた場合に、備えるためです。データベースの利用者とパスワードを変えることも、考えてよいとされています。変えたら、wp-config.phpも直します。

原因を調べる

警察庁は、再発を防ぐため、原因などを調べるよう求めています。改ざんが確認されていないサーバーやパソコンも含めて、調べるよう書いています。ほかのマルウェアなどの影響を受けているおそれがあるためです。調査のために、ログは、バックアップと同じように、きちんと残しておきます。

WordPress.orgは、サイト運営者が自分で原因を調べるのは、知識やログの不足から、難しいことが多い、としています。無理に自分でやらず、専門の会社に頼む判断もあります。

定期的に点検する

JPCERT/CCの注意喚起(2016年)は、次の点検を勧めています。頻度は、そこに書かれた目安です。

点検頻度の目安
点検製品(プラグインなどの拡張機能を含む)の版が最新か頻度の目安数週間から1か月に1回ほど
点検サーバーのファイルを、一覧やバックアップと比べる頻度の目安1週間に1回ほど
点検Webアプリケーションの診断頻度の目安1年に1回ほど、機能を足したとき
点検ログインIDとパスワードの確認頻度の目安1年に1回ほど

どこに届けるか、どこに聞くか

窓口内容
窓口サーバー会社内容最初に連絡する。ほかのサイトへの影響や、バックアップの方針を聞く
窓口警察内容最寄りの警察署かサイバー犯罪相談窓口に、アクセスログなどを持って相談する。事前に電話で調整するとよい(警察庁)
窓口JPCERT/⁠CC内容インシデント報告の窓口。Webフォームかメールで、被害を報告したり、対応を依頼したりできる。電話は原則として受け付けていません。改ざんされたサイトの管理者への連絡など、できることと、犯罪の捜査や、個別の製品の相談など、できないことが分かれています
窓口IPA内容会社や組織は、企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口(メールのみ)。事案の調査や解析は、行いません
窓口WordPress.orgのフォーラム内容Hackedのタグで、コミュニティに相談できる。症状を、具体的に書く

WordPress.orgは、フォーラムで助けを得るには、症状(兆候)を具体的に書くことが大切だとしています。最初に取った記録が、そこで役立ちます。

よくある質問

WordPressが改ざんされたら、最初に何をしますか?

何を見て、いつ気づいたかを記録します。警察庁は、サービスを停止して、管理画面やデータベースのアクセスログを保存し、証拠を残すよう求めています。そのあと、サーバー会社に連絡し、ログインの手段をすべて変えます。

感染したサイトは、バックアップから戻せばよいですか?

公式の資料は、どちらかを勧めてはいません。感染がいつからか分からないときは、確実に前のバックアップから戻すほうが確かめやすい、と当サイトは考えます。戻しても入られた原因が直るとは限らないので、すぐに更新とパスワードの変更をします。

WordPressを最新にすれば、乗っ取りは直りますか?

直りません。WordPress.orgは、清掃が終わってから最新にするよう書いています。更新は、再び入られないための対策です。すでに置かれた不正なファイルは、別に探して消す必要があります。

自分で直せないときは、どこに相談すればよいですか?

サーバー会社、警察署かサイバー犯罪相談窓口、JPCERT/CCのインシデント報告があります。会社や組織は、IPAの企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口にも、メールで相談できます。WordPress.orgのフォーラムもあります。

乗っ取られたかどうかを、自分で確かめる方法はありますか?

検索サイトのsite検索で、自社のドメイン名を指定し、関係のないページが出ないかを見る方法を、警察庁が案内しています。JPCERT/CCは、ファイルの一覧をバックアップと比べる方法を挙げています。